「一番いいとこ」をひたすら紡ぐ作業
家族を見送ってキッチンを片付け終わった7時50分よりずっと、ピアノに向かっております。
12月の湯沢でのコンサートに向けてのカバー、あ、その前に11月22日に初披露するんだった。
高校生の頃から知ってるこの名曲を、どうして今はこんなに、泣きたいような気持ちで音を出しているのか。季節のせいか。無職のせいか。あっ、加齢のせいか。あはは。
ネットを探せば原曲のコードは出てくるし、素晴らしくいい具合に藤井風殿がカバーしているそのスコアもあって、それをななちゃんのキーに移調してやれば、もうそれで充分じゃないのよと思い
いざ移調(藤井風殿の-4の、オクターブ上げ)でやってみると、あれれなんか違うどうも違う全然違う
というわけで、歌メロを自分の声でハーハーハー、ナーナーナーと鳴らしながら、一番気持ちいいコードを探る作業を、気づけば朝から3時間。
しっとりいきたいところほど、一つの音が及ぼす影響ってどんどん大きくなるので、Cm7を鳴らすにも、構成音のE♭を、B♭を、この鍵盤を押して鳴らすのか、オクターブ上を鳴らすのか
ひたすらポーン ポーン とあれこれ試して、一番ぐっとくる音をメモしていく。
で、よし最初の8小節終わったー。通してみよう、と通して弾いてみると、前の音からの繋がりがいまいち美しくなかったりでまた足が止まる。
けど、楽しいからずっとやっちゃうんだな。ナナサトでカバーする曲全部でこんなことしてるわけじゃなくて、だいたいは、コードを見て適当に弾いてるんだけど
そうはいかない曲もある。
ありがたいことにちょっとウケている、さとちゃん節みたいなゴリゴリのノリでやれば何とかなる曲ばかりではない。
弾けば弾くほど、この曲や、歌詞へ感情が入り込んでしまって、勝手にツンと泣きそうになるのは、加齢のせいです。高校生のときから20年以上も経ち、音楽をやる喜びを、楽曲に感動できる喜びを当時以上に知っているからです。多分。
生ピアノのある家で育ったわけではないけど、どう鳴らすかのこだわりはすごいあるつもりよ。
一通りまとまって、自分の殴り書きを清書。
手書きですよ手書き。DTM何それ美味しいの?な、全くデジタルだめな私です。
一通りまとまったとは言っても、2割程度だろう。ななちゃんと初めて合わせて、またどうなるか。
これまでナナサトでやった、Keala Settle の「This is me」や、東京事変の「落日」同様、メロディーや歌詞やななちゃんの声を、最高に引き出すために一番いい音や和音の並び、音の強弱、休符の長さをとことん探っていくのです。
探り当てたからって、そのベストをライブで出せているかって言ったらまた全然別の話で、全然できていなくて、やー恥ずかしい!
でも、まあ、とにかく楽しい。
こんなのじっくりできるの、今こんなに時間があるからだなあとつくづくありがたい。
12月19日湯沢市で予定されているコンサートまでには、ナナサトの中でもかなり熟成されると思うので、ぜひ見にきてください。
いまだに「ドシラソファ」とか書いちゃう、字が汚いのは、譜面台に立てた状態でメモしてるからです。言い訳だらけ!
おしまい。